「国盗人~W・シェイクスピア「リチャード三世」より」を見る

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世田谷パブリックシアターで「国盗人」を見てきましたー。
野村萬斎と白石加代子がメーンで、ほかには今井朋彦、大森博史とザ・役者な人々に加え、
小劇場で活躍している役者やパントマイムの人など、個性的。
芝居好きには興味深いキャスティングなのでチケットを取りました。
実際、客席も芝居好きなにおいがプンプンでしたねー(立ち見も出てた)
観劇マナーが完璧だったもの。あれは舞台を見慣れている人ですね。
盛り上がる時は一緒に盛り上がり、静まるところは静まる。大切なことです。

「国盗人」はシェイクスピアの「リチャード三世」をモチーフに
舞台を戦国の日本に置き換えています。
リチャード三世は「悪三郎」!(まんまじゃん!爆)
醜い姿の悪三郎は、悪に徹底し、自分の兄弟を殺し、王座へのし上っていきます。
そんな悪三郎を憎む5人の女性をすべて白石加代子が演じます。
萬斎氏の狂言的言い回しと、加代子さんの演技がマッチしてましたね。
二人の戦いは迫力があります。

萬斎・悪三郎は「悪」でありながらオチャメで憎めないキャラクター。
演出・野村萬斎氏の遊び心のちりばめられた作品でした。
(「レプリークbis」によると稽古初日は大変だったみたいだけど。笑)

**以下、ネタバレ***
コシノジュンコさんがデザインした衣装がまず見た目に面白いです。
鎧の先が水枕みたいに膨らんでいて、ちょっと気持ち悪いの。
ペタペタした感じ。あの素材はなんだったんだろう?

悪三郎が王座につくことを阻むシーンが面白かったなぁ。
「王座にはつきたくない」と言う悪三郎に、腹心の久秀は説得を試みるんだけど、
そのために観客を市民に見立て「市民も望んでおりますぞ」ということで、
私たち客はみんなで拍手。最後はみんなで「悪三郎ばんざーい」を三唱。
気を良くした悪三郎はマイク片手にマツケンサンバのごとく歌い踊る。オチャメ!!

言葉遊びもシェイクスピアのごとく韻を踏んでいたりして、
悪三郎と杏(加代子さん)、悪三郎と理智門(今井朋彦さん)のセリフは
対になっていたりして、音が聞いていて面白い。

今井さんは前に「コペンハーゲン」を見て素敵だなぁと思っていたのだけど、
やっぱりたたずまいもスッとしてキレイだし、声が透き通るように品があってしゅてき♪
なんとなく旬くんの声に似ているような?凛としているけどやさしい。王子ですなぁ。

白石加代子さんは、さすがの風格。
5役がすべて出てくるシーンでもすみわけが軽やか。
カーテンコールでは、花道で軽やかにスキップみたいに走ったりして可愛すぎ!!

最期、悪三郎は自分が殺してきた人々の亡霊に取り付かれ死んでいきます。
悪三郎の歌にあった「人を呪わば穴ふたつ」の言葉どおり。
人を裏切った者は、人に裏切られることを恐れて、自滅するのかなと。
悲しい末路ですね。

日本にも、こんなにシェイクスピアが浸透していて、
客席にも若いお客さんが多いというのは、いいことだなぁと思います。
シェイクスピアの作品って、人間が描けていて、それが普遍的。
いつの時代に見ても面白いというのは、時代背景が違っても、
そこに出てくる「人間」の悩みは何世紀たっても変わらないということなのかもしれません。

日本ならではの「リチャード三世」が見れて良かったです。
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by oko50525 | 2007-07-15 10:43 | 観劇したもの